作成日:2021.08.12更新日:2021.11.15
Jw_cad で線の太さを設定するには、dpi を使った「太さの比率」と「1/100mm」単位のいずれかで行います。ミリメートルは身近な単位ですが、dpi についてはよくわからない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
Jw_cad では、この dpi と mm、2つの単位の設定方法をそれぞれ理解することで、線の太さの設定が誰でも理解できるようになります。
この記事では、dpi を使った「太さの比率」 で線の太さを設定する方法と 「1/100mm」単位 で線の太さを設定する2つの設定方法をご紹介します。
印刷時の線の太さは JIS 規格で定められており 、0.13mm、0.18mm、0.25mm、0.35mm、0.5mm、0.7mm、1.0mm、1.4mm、2mm のいずれかが使われます。
全ての太さを使い分けるのではなく、一般的には 細線、太線、極太線、超極太線 の4種類を使い分けることが多く、それぞれの線の太さは 細線を基準に2倍ずつ 太くなっていきます。
例えば細線を 0.18mm とした場合、太線は 0.35mm、極太線は 0.7mm、超極太線は1.4mm です。
線の太さについて下記の記事でも詳しく解説しています。
さて、線の太さの設定は 基本設定 > 色・画面タブ を開くと「画面要素」「プリンタ出力要素」の2つがあることが分かります。
「画面要素」パネルの線幅が Jw_cad 上での線の太さ、「プリンタ出力要素」パネルの線幅が印刷時の線の太さです。
実は、Jw_cad で線の太さを設定するには 画面要素、プリンタ出力要素 共に 比率で指定する方法と、使い慣れている mm 単位で設定する方法 の2種類あります。この2種類ある事を知らないと、線の太さを思うように設定できず混乱を招いてしまう原因となります。
比率と mm を使い分けるには、 基本設定 > 色・画面タブ にある「線幅を表示倍率に比例して描写」と「線幅を 1/100 mm 単位とする」の2つの設定を使い分けます。
詳しい使い方を以下でご紹介しますので、必要に応じた設定を行いましょう。
まず初めに、Jw_cad で線の太さを比率で指定するには、次のように設定します。
3 のオプションのチェックを外すことで、Jw_cad の作図領域の設定を表す「画面 要素」および、印刷時の設定を表す「プリンタ出力 要素」の双方で「線の太さを比率で表す」ことが可能です。
線の太さの比率は、「線幅」の列で指定します。
「1」を基準に、入力した数値に比例して線が太く表示されます。
画面要素の線幅で指定可能な値は 1 ~ 16 です。
上記で指定した線の太さが反映されていることが分かります
先ほどまでの設定では、基本設定の「画面要素」の線の太さを表示しました。
Jw_cad では作図領域上の指定を行う「画面要素」と印刷時の指定を行う「プリンタ出力要素」の2つの設定が存在するため、印刷してみたら線の太さが Jw_cad で見ていたものと全く違う、となってしまうことがあります。
そこで、プリンタ出力要素の線の太さをそのまま作図領域上で表示するための方法をご紹介します。
ここでは、先ほどの設定に加え「線幅を表示倍率に比例して描画」にチェックを入れます。
そうすると、すでに図面に描写されている線もすべて「プリンタ出力要素」の線幅へ切り替わります。
印刷時の線の太さ「1」は、「1ドット」が基準となります。 「1ドット」のサイズは印刷の解像度(dpi)で決定します。
dpi とは「1インチ(=25.4mm)の長さにいくつ点が並ぶか」を示しており、300dpi は 1インチ(=25.4mm) の間に 300 個のドットが並ぶ、という意味となります。
つまり Jw_cad でデフォルトになっている「300dpi」の場合、線の太さ「1」は1ドットの値と同じ太さになるため、 1インチ(=25.4mm)を 300 で割れば求めることが可能です。
25.4/300 = 0.008466…
以上から、Jw_cad で解像度 300dpi の場合の線の太さは
線幅 1 … 0.085mm
線幅 2 … 0.17mm
線幅 3 … 0.255mm ・・・
となります。
画面要素での比率指定は数値の上限が 16 でしたが、プリンタ出力要素では数値の上限は 500 です。
トッドでの指定は慣れないうちは大変ですので、次でご紹介する mm 単位での設定がおすすめです。
Jw_cad で線の太さを「ミリ」で指定するには、次のように設定します。
3 のオプションにチェックを入れることで、印刷時の線の太さを「1/100mm」単位で指定できます。
作図領域での線の太さは、この設定では線の比率での指定となります。
作図領域上でも線の太さを 1/100mm単位で表示するには、プリント出力要素の線の太さを表示させる必要があります。
この設定にすることで、印刷時に線の太さが変わってしまう、というミスを防ぐことが可能です。
ここでは、「基設」>「色・画面」で先ほどまでの設定に加え「線幅を表示倍率に比例して描画」にチェックを入れます。
そうすると、画面要素の線幅に数値を入力することができなくなり、すでに図面に描写されている線もすべて「プリンタ出力要素」の線幅へ切り替わります。
また、この設定では線ごとに線の太さを設定することも可能です。
上記の設定を行った後、線属性ダイアログを開きます。
すると、線幅設定が指定できるようになっています。
基本幅の横にあるテキストボックスに線幅の数値を入力すると、新しく描写する線から入力した線幅が適用されます。
線属性ダイアログから指定した線幅も、印刷に反映されます。
しかし、線幅を表示倍率に比例して描画 とすると線が太く表示される影響で細かい箇所の書き込みがしにくくなってしまう事もあります。
そのような場合、作図時は 線幅を表示倍率に比例して描画 オプションのチェックを外し、印刷前に線の太さを確認するときのみオプションにチェックを入れると良いでしょう。
筆者が実際に読んで役に立った Jw_cad の本をご紹介しています。
WEB で知ることができる無料の情報だけでは物足りなくなってきたときや、CAD の使い方から次のステップへ進みたい方はぜひご参考いただけると嬉しいです。
YouTube DARE 公式チャンネルでは、動画で線の太さを学習することが可能です。