作成日:2021.08.23更新日:2021.08.23
AutoCAD を導入するときに気になる項目の一つに動作環境があるのではないでしょうか。
CAD で製図を行うときに動作が重くもっさりしていると作業効率も落ち、どれだけ高性能な CAD を導入していても意味がありません。
この記事では AutoCAD の動作環境と、自身のマシンのスペックの調べ方、それぞれのシステムの意味など、初めて CAD を導入する初心者の方にもわかりやすいように詳しく解説しています。
AutoCAD 2022 の動作環境は公式ページで公表されており、以下のようになっています。
必要環境 | 必要スペック |
---|---|
対応OS | 64 ビット版 Microsoft® Windows® 10 |
プロセッサ | 基本: 2.5 ~ 2.9 GHz のプロセッサ 推奨: 3 GHz 以上のプロセッサ |
RAM | 基本: 8 GB 推奨: 16 GB |
HDD | 10.0GB 以上 |
ディスプレイ カード | 基本: 帯域幅 29 GB/秒の 1 GB GPU (DirectX 11 互換) 推奨: 帯域幅 106 GB/秒の 4 GB GPU (DirectX 12 互換) |
その他 | .NET Framework 4.8 以降 |
早速詳しく見ていきましょう。
対応 OS は、パソコンのシステム全体を管理する最も基本的なアプリケーションです。
「Windows 10」や「Windows 8.1」など、おなじみの言葉ではないでしょうか。
AutoCAD 2022 では Windows 10 の 64bit 版のみが対応となっています。
Windows 8.1 や Windows 7 では利用できませんので注意が必要です。
プロセッサとは、所謂 CPU です。マシンの中枢部である中央演算処理装置のことで、コンピューターの頭脳のような役割をしています。
マシンの性能はこの CPU の処理速度に依存しているため、CPU のスペックが低いほど CAD の動作や処理が遅くなってしまいます。
AutoCAD では「推奨: 3 GHz 以上のプロセッサ」と記載されています。
これはクロック数のことを示しています。単純に、数値が大きいほど処理速度が速く、高性能です。CPU の名前の後ろに併記されていることが多いです。
RAM とは主記憶装置のことで、CPU が処理を行うときなどに利用されるメインメモリです。RAM は書き換え可能なデータを一時的に保存しておく場所で、所謂作業を行うときの机の広さのようなものです。机が広い= RAM の容量が大きいとなり、いくつものアプリを開いても余裕をもって作業ができるようになります。
よく似た名称として ROM がありますが、こちらは保存領域を示しています。「Read Only Memory」の略で、読み出し専用の書き込みはできないメモリのことです。
しかし、スマートフォンでのみ ROM はストレージの容量を表している場合があります。
AutoCAD では基本動作環境が 8GB となっているため、一般的なパソコンで動作環境を満たせている場合が多いでしょう。しかし、RAM の容量が少ないほど一度に処理を行うことができなくなりますので、できるだけ推奨動作環境である 16GB 以上のハイスペックなパソコンで利用することをお勧めします。
HDD とは補助記憶装置の一種で、データを書き込んだり読み込んだりできます。
パソコンに入っている写真や音楽は、この HDD に保存されているため新しく追加したり、編集や削除をしたりすることが可能となります。
先ほど紹介した RAM はパソコンの電源を落とすとデータがすべて消去されることが一般的ですが、HDD はデータが消去されず保持され続けます。
AutoCAD の動作環境で記載されている 10GB は、HDD 自体が 10GB 以上であればよいというわけではありません。
ここでは、「HDD の空き容量」を表しているため、HDD の容量を問わず空き容量が 10GB 以上必要、という意味になります。
ディスプレイカードとは、グラフィックカードやグラフィックボートとも呼ばれるパソコンの画面表示を行うための拡張カードの一種です。
画面表示が必要なパソコンには標準搭載されていますが、3D など高度な表示処理が必要な場合は、その分表示能力の高いディスプレイカードが必要となります。
その他の動作環境として、「.NET Framework 4.8」という記載があります。
これは、AutoCAD が .NET Framework のサポートを受けて起動することができる、ということを表していて、.NET Framework 4.8 がインストールされていない場合は AutoCAD を起動することができません。
.NET Framework とは、アプリケーションを実行するためのランタイム実行環境で、いろいろな言語で開発されたプログラムが .NET Framework が対応する共通中間言語へ変換されることで、パソコンの環境に依存することなく実行できるようにしています。
.NET Framework は Microsoft の WEB サイトからダウンロードすることが可能です。
さて、ここまで動作環境の解説を行ってきましたが、自分のマシンのスペックを調べなくと比較することはできませんよね。
お使いのマシンのスペックは次の方法で調べることが可能です。
ディスプレイカードを確認するには、スタートメニュー横の検索バーに dxdiag と入力し、「DirectX診断ツール」を立ち上げて確認すると良いでしょう。
AutoCAD で求められているスペック以下のマシンで CAD を使いたい場合もありますよね。
そのような時は、AutoCAD 互換 CAD という選択もあります。