作成日:2021.11.05更新日:2021.11.10
AutoCAD 互換 CAD である IJCAD で、寸法に縮尺を設定したことはありますか? 使い始めだと寸法の縮尺ってとてもややこしいですよね。
特に CAD 初心者の方は「寸法同士の大きさが違う…?」「異尺度って何…?」と全く分からず嫌になってしまうことも…
そこで、今回は IJCAD で寸法に縮尺を設定する方法を分かりやすく解説します。
この記事を読むと、以下のような疑問を解決できます。
もし、JWW 形式から変換した図面など モデル空間に作図されている図面が 1:1 ではない場合 の修正方法が知りたい場合はこちらの記事を参考にしてください。
縮尺とは 「実物の大きさを何倍(何分の 1)にするか」という比率のこと です。
たとえば、 1:1 だと実物の大きさと図面の大きさが同じになります。
2:1 だと実物の大きさに対して図面を 2 倍の大きさで描いていて、反対に 1:2 だと実物に対して図面を 2 分の 1 の大きさで描いているということになります。
縮尺を設定する理由は、 図面を用紙や PDF に収めたときに、文字が大きすぎたり小さすぎたりするのを防ぐ ためです。
1:1つまり原寸大で書いたらこのように寸法もしっかり見えますよ
IJCAD や AutoCAD では図面はモデル空間で 1:1 で描くというルールがあります。 しかし、文字はどの図面でも同じ大きさで記入します。
そうすると、大きな図面(建築図面や大きな機械図面)はぎゅっと小さくしないと用紙に収まらないです。
図面を小さくするともちろん寸法値も小さくなるので、下図のように見えなくなってしまいます。
そうならないために、尺度に合わせて寸法値や矢印などの大きさを変えるんです。
縮尺は基本的に、 ビューポートやレイアウト空間と一緒に使う機能 ということを覚えておいてください。
ビューポートやレイアウト機能については別記事で解説予定です。
寸法の縮尺を変更する方法はいくつかありますが、今回は 1 番便利な 「異尺度対応」の設定方法 を解説します。
異尺度の設定にはいくつか方法がありますが、 寸法スタイルから設定することをおすすめします。
異尺度対応は寸法スタイルから設定すると、これから その寸法スタイルで作る寸法全て異尺度対応になる ので都度変更する手間がなくなります。
「あとで寸法の縮尺を変更したくなった!」という場合でも一括変更できる ので、縮尺を変更する可能性がある場合は寸法スタイルから設定しましょう。
寸法スタイル設定画面はDIMSTYLE コマンドで起動できます。 DIMSTYLE コマンドの起動方法は 2 通りあります。
「ホーム」タブ>「注釈」パネル>「寸法記入、寸法スタイル管理」のアイコンをクリックします。
「注釈」タブ>「寸法記入」パネル>右下の展開マーク「寸法記入、寸法スタイル管理」をクリックします。
作図領域上またはコマンドラインで「 DIMSTYLE 」と入力します。
これで寸法スタイルに異尺度対応を設定することができました!
寸法スタイルに異尺度対応を設定する注意点は、 すでに図面にある寸法値には反映されない ことです。
新しく作る寸法から異尺度対応になります。
もしすでに図面にある寸法値に反映させるためには、オブジェクトプロパティ管理から設定します。
これで、すでに図面にあった寸法も異尺度対応に変更することができました!
異尺度寸法にカーソルを合わせると、三角スケールのアイコンが表示されます。
今回は寸法の縮尺を設定する方法を解説しました。
最初はとっつきにくい「縮尺」や「異尺度」ですが、慣れると製図の強い味方になってくれます! ぜひ今回の記事を参考に、異尺度の設定方法を繰り返し練習してみてくださいね。