作成日:2021.08.11更新日:2021.08.11
IJCAD は、一度ライセンスを購入したら追加料金を支払わずに永久的に IJCAD を利用し続けられる「永久ライセンス」方式のライセンスで販売されています。
この記事では、永久ライセンスは本当にお得なのか、AutoCAD と比べるとどのくらいコストを抑えられるのか、などについて詳しく紹介しています。
永久ライセンスとは、一度購入したらその後は永久的に使い続けられるライセンスのことをいいます。
対して、使いたい期間だけ利用料金を払うライセンスを、サブスクリプションライセンスといいます。
AutoCAD は 2016 年までは永久ライセンスを販売していましたが、2016年以降はサブスクリプションライセンスへ一本化していくこととなりました。
一見、「永久ライセンスは高額」で「サブスクリプションライセンスは低価格」のようにみえますが、長い期間でみると一定期間ごとに利用料金を払い続けなくてはならないサブスクリプションライセンスの方がコストが嵩み、結果的に永久ライセンスよりも高い金額を払っていた、ということが起こりえます。
そのため、永久ライセンスを販売している IJCAD などの AutoCAD 互換 CAD へ乗り換えるユーザーも少なくなかったようです。
しかし、サブスクリプションライセンスの良いところもあります。
永久ライセンスの場合は購入したバージョンを永続的に利用することができますが、サブスクリプションライセンスの場合は常に最新版を利用できます。
古いバージョンのままソフトを使い続けることに不安がある場合は、サブスクリプションライセンスを検討すると良いかもしれません。
IJCAD は、永久ライセンスで次のような価格帯になっています。
プラン | スタンドアロン | USB | ネットワーク |
---|---|---|---|
IJCAD LT | |||
IJCAD STD | |||
IJCAD PRO |
IJCAD 2021 からは、初年度のメンテナンスサブスクリプションが必須となったため、例えば IJCAD LT のスタンドアロンライセンスを購入する場合は次のような価格となります。
メンテナンスサブスクリプションは、ライセンス価格の 25% です。
[ライセンス価格] 55,000 円 + [サブスクリプション] 13,750 円 + 税(10%)
合計 75,625 円
IJCAD は永久ライセンスのため、2年目以降はメンテナンスサブスクリプションを解約すると 75,625 円で永続的に IJCAD を利用できることになります。
2年、3年、と利用する年数が長いほどお得になりますね。
しかし、古いバージョンを使い続けることに不安のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、メンテナンスサブスクリプションには次バージョンへの無償アップデート権がついているため、1度ライセンスを購入すればその後はお得な価格で最新版を利用し続けることもできるのです。
IJCAD のメンテナンスサブスクリプションでは、次のような特典がついています。
✓ 加入者限定サイトの利用
✓ 旧バージョンのプログラムファイルのダウンロード及び利用権
✓ 電話よるサポート(インストールやアクティベーションのトラブルに関してのみ)
✓ WEBサポート(APIを利用した開発に関するサポートは除く)
✓ USB プロテクタ不良時の無償交換サービス
✓ ライセンス譲渡制限の緩和
✓ 新バージョンリリース時のライセンス無償提供
注目していただきたいのは「新バージョンリリース時のライセンス無償提供」です。
サブスクリプション契約中に新バージョンがリリースされた場合、最新版のライセンスへアップデートできる権利です。
メンテナンスサブスクリプションは1年間の契約ですから、リリース日程が極端にずれない限りは購入した次のバージョンにアップデートができます。
メンテナンスサブスクリプションの価格は「ライセンス価格の 25% 」と決まっているため、年間で価格費用は 13,750 円 ~ 30,000 円 程度です。月々に直しても 1,000 円~ 2,500 円程度ですね。一度ライセンスを購入してしまえば数千円程度で常に最新版が利用できるようになる IJCAD のメンテナンスサブスクリプション、とてもお得ではないでしょうか。
お得といっても他の CAD とどのくらいのコスト差が生まれるのか、少しわかりにくい仕様になっていますよね。
今回は、国内の 2 次元 CAD で最もシェア率の高い AutoCAD とどのくらいのコスト差が生まれるのか調べてみました。
2D CAD にはコストを掛けたくない!
DWG 図面の閲覧や編集ができれば OK だから、一番安く運用したい!
・・・という方には、IJCAD LT で、永久ライセンスを活用する形での運用をお勧めします。
IJCAD で最もコストを掛けずに 5 年間運用した場合のコストと、サブスクリプションライセンスのみとなった AutoCAD を 5 年間運用した場合でどのくらいのコスト差が生まれるのか見てみましょう。
CAD | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 |
---|---|---|---|---|---|
AutoCAD | 71,500 円 | 71,500 円 | 71,500 円 | 71,500 円 | 71,500 円 |
IJCAD LT | 75,625 円 (※1) | 0 円 | 0 円 | 0 円 | 0 円 |
※1 ライセンス価格+サブスクリプション+税(10%)
AutoCAD ・・・ 357,500 円
IJCAD ・・・ 75,625 円(LT / スタンドアロンライセンス)
初年度こそ IJCAD の方が若干コストが上回りますが、2年目以降のコストが 0 円であるため、5 年間運用すると 30 万円近くの差ができました。
購入ライセンス数が多いほど、この差は大きくなりますよね。
また、IJCAD は初年度のメンテナンスサブスクリプションが必須のため、購入したバージョンの次のバージョンまでは無償でアップデートできます。
古いバージョンを使い続けるのは不安だから、常に最新版が使いたい!
DWG のほかに JWW 形式の図面も AutoCAD と同じ操作感で編集したい!
・・・という方には、IJCA STD で、メンテナンスサブスクリプションを毎年更新する形での運用をお勧めします。
IJCAD STD は、基本的な作図機能のほかに PLUS ツールや拡張ツールといった IJCAD 独自の機能などが付属した LT よりも1つグレードが高いバージョンです。
DWG のほかにも JWW や SXF 形式の読み込み、書き出し(保存)ができるため、取引先に Jw_cad ユーザーが多い企業に指示されているようです。
最低グレードではない IJCAD をメンテナンスサブスクリプション付きで 5 年間運用した場合のコストと、サブスクリプションライセンスのみとなった AutoCAD を 5 年間運用した場合でどのくらいのコスト差が生まれるのか見てみましょう。
CAD | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 |
---|---|---|---|---|---|
AutoCAD | 71,500 円 | 71,500 円 | 71,500 円 | 71,500 円 | 71,500 円 |
IJCAD STD | 103,125 円 (※1) | 20,625 円 (※2) | 20,625 円 | 20,625 円 | 20,625 円 |
※1 ライセンス価格+サブスクリプション+税(10%)
※2 メンテナンスサブスクリプションの更新のみ
AutoCAD ・・・ 357,500 円
IJCAD ・・・ 185,625 円(STD / スタンドアロンライセンス)
こちらも初年度こそ AutoCAD を 3 万円程上回りますが、2 年目以降はメンテナンスサブスクリプションの更新のみとなりコストをグっと抑え、AutoCAD とは 5 年間でおよそ2倍のコスト差となっています。
常に IJCAD の最新版を利用してコスト面で 2 倍の差となるととてもお得ではないでしょうか。
今回はスタンドアロンライセンスで比較をしましたが、ネットワークライセンスや USB ライセンスの場合は価格が少し変わってきますので、ニーズに合わせて比較をしてみてくださいね。