作成日:2021.08.12更新日:2021.08.12
IJCAD には3つのグレードが設定されています。グレードの高い順に IJCAD PRO、IJCAD STD、IJCAD LT となっていて、グレードによって機能や価格が異なります。
この記事では、IJCAD LT に焦点を当てて機能や価格などを詳しく解説していきます。
IJCAD LT は、2 次元汎用 CAD である IJCAD の中でも最も低いグレードの CAD です。
グレードが低いぶん価格も安価なため、導入しやすいグレードでもあります。
LT のグレードが低いと言っても、作図の基本機能に不自由はほとんどありません。
2D 図面の作成や編集、印刷などの基本機能はほぼ全てが利用でき、その一方で LISP などでのカスタマイズに関する機能や 3D に関する機能、JWW 関連の拡張機能に制限がかけられています。
IJCAD LT の価格は次のようになっています。
IJCAD STD や PRO と比較すると、25,000 円~ 50,000 円近く安価な価格設定となっています。
プラン | スタンドアロン | USB | ネットワーク |
---|---|---|---|
IJCAD LT | |||
IJCAD STD | |||
IJCAD PRO |
IJCAD LT では、2D 図面の作成や編集を行うための基本作図機能はほとんど全てが利用できます。
これまでAutoCAD LT で図面の作成や編集を基本機能のみで行ってきた方や、これから CAD の学習を行う方は、問題なく利用できるのではないでしょうか。
IJCAD PRO と比較して利用できないものをあげると、ストレッチが可能なダイナミックブロックの定義です。
既に作成されているダイナミックブロックは、LT でも図面内で利用することが可能です。
また、通常のブロックエディタは LT でも利用することができます。
もしこれまでダイナミックブロックを多用して図面を作成していた場合は、IJCAD LT ではなく IJCAD PRO を検討された方がよいかもしれません。
印刷機能も、IJCAD PRO と機能に差はありません。
連続印刷(バッチ印刷)や印刷スタイルなどの設定も問題なく行えました。
IJCAD LT には 3D のエディット機能はついていません。
ただし、ソリッドデータを表示させることは可能です。
3D を編集したい場合は IJCAD PRO を検討した方がよいでしょう。
IJCAD LT では、AutoLISP&DCL、VisualLISP関数、ObjectARX/ xRX、VBA、.NET を利用することができません。
これまで AutoCAD 等で LIST によるカスタマイズを行って作図をされていた方は IJCAD STD 以上のグレードを検討された方がよいでしょう。
LISP や VBA を利用することはできませんが、マクロや CUI のカスタマイズは可能です。
IJCAD LT では、JWW 形式の読み込みや書き出しを行うことはできません。
JWW 形式を編集したい場合は、IJCAD STD 以上のグレードをお勧めします。
IJCAD には、PLUS ツールや拡張ツールに PDF 読み込み機能や SXF 入出力、図面・図形比較など IJCAD 独自の機能が多く搭載されています。しかし、IJCAD LT では、これらの機能を使うことができません。
IJCAD LT を検討されている方も、一度 IJCAD STD 以上のグレードを使ってみて、必須機能がないかどうか確認されるとよいのではないでしょうか。
IJCAD LT は、一部の機能が制限されているぶん価格も安価で、CAD の学習をするために個人で購入する方や CAD を使う人や CAD をインストールするパソコンが決まっている場合にお勧めです。
特に CAD で図面の閲覧したり少し修正するだけであれば IJCAD LT でも十分な機能を持っています。
一方で、JWW 形式の編集や保存を行いたい方や LISP などで CAD をカスタマイズして利用する方には IJCAD STD 以上のグレードが必須となるでしょう。
IJCAD は30日間無料で体験版を利用できますので、一度試してみてはいかがでしょうか。
■ IJCAD.jp